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人を包み込み、心の風景を映し出し、人と人とのつながりへの道をひらいてくれるような、そんな空間の在りように深く心を動かされます。
たとえば、柔らかなひかりが差し込み、形と素材が言葉を使わずに語りかけてくるとき、私たちはふと感じたり、思い出したり、帰属する感覚を取り戻したりします。
そのような空間のなかで流れる時間や記憶に、自然と心を澄ませたくなることがあります。そこには、宿る思い出や育まれてきた関係性、変わりゆく世界の中で人の足元を支える確かな感覚が息づいています。
私にとって、デザインとは共に歩む旅のようなものです。
信頼と対話、そして相互の敬意のもと、ゆっくりと形を紡いでいくものだと感じています。
人の存在に深く寄り添い、物語にひらかれ、意味が息づくような空間をそっと生み出せたらと願っています。
友人宅でのお泊まり会から帰ってきた息子が、開口一番にそう言った。朝ごはんにワッフルをふるまっていただいたらしい。
うちでは、あんなものは一時のガジェットにすぎないと思っていて、買う気はまったくなかった。けれど、たまたま中古の良品に出会って、思いがけず購入することに。
生地はパンケーキよりもゆるめ。プレスして、2分も経たないうちに焼きあがる。
これは使える。フライパンでパンケーキを焼くより、ずっと手軽だ。
ワッフルの切れ目に、子どもたちはナイフをあてる。ナイフとフォークを使う練習にもってこいだ。
切り取られたハート型のワッフルが、ワッフルメーカーの便利さや、子どもたちの成長、週末の幸せなひとときを象徴しているように思えた。