16年前、ウェリントンへ移住するときに持ってきたものです。
引き出しの奥に眠っていたそれを、テーブルの上にそっと置きました。
画面を開けると、すり減ったキーボードが目に入ります。
ひとつ押してみる。
これ、使ってたんだ。
そんな言葉がこぼれました。
ロンドンで学生をしていた頃、母が日本から持ってきてくれたパソコン。
あれからもう20年以上。
当時の机や椅子の感触まで、ふと蘇ります。
課題に向き合っていた日々も、
就職してからの間も、
もう細かくは思い出せません。
年明けのメルボルンへの引っ越しを前に、ようやく整理を始めました。
長いあいだ向き合えずにいた時間です。
電源を入れてみたけど、起動しません。
きっと、これでお別れなのでしょう。
学生時代の相棒のようだった日々も、
しまい込んで忘れていた年月も、
全部ひっくるめて。
今までずっと、ありがとう。